暖簾は本来、「のんれん」と読んだのだそうだが、これが転じて「のうれん」となり「のれん」に変化していったと言われている。もともと暖簾は禅宗の用語で寒さを防ぐためにかけられた垂れ幕、垂れ布のことをいい、「簾(すだれ)の隙間を覆い、暖をとる」というところから名付けられたそうである。
現在と同様の意味で用いられるようになったのは、近世以降だとされているが、ではそれ以前は現在でいうところの暖簾は何と呼ばれていたのだろうか。単純に垂れ幕や垂れ布と呼ばれていたのだろうか。
暖簾は一説によると縄文時代からすでにあったとされる歴史のあるものだが、暖簾が商家などで家紋を入れたものを使用するようになったのは、室町時代以降だそうだ。のちの江戸時代になると人々の間で読み書きができるようにんると、文字を入れたものなども増え、次第にその商家や商店の代名詞的な役割を果たすようになる。
店を閉めることを、暖簾を下ろす。と言ったり、奉公人が独立する際、元いた商家の主人から経営のノウハウや仕入れ先などを教えてもらいながら店を出す際も、暖簾分け、などと言ったりもする。